法律英語 第4回
 

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アメリカでビジネスをする経営者がリーガルセンスを磨くために知っておきたい「法律英語シリーズ」第4回目です。 今回は、民事訴訟制度における法律の基礎単語のご紹介です。 Plaintiff, Defendant, Appellant, Appellee, Complaint, Service of Process, Answer to complaint, Motion to dismiss これはなんだろう?と思う単語がある方は、ぜひご覧ください。

​法律英語 第4回
 

アメリカ法律英語

 

アメリカでビジネスをする経営者がリーガルセンスを磨くために知っておきたい「法律英語シリーズ」第_4回です。今日は、アメリカの民事訴訟制度における法律英語の基本を見ていきましょう。

 

アメリカの民事訴訟は、まず原告が裁判所に訴状を出すことから始まります。自分に対して訴えを起こしてきた原告に対し、被告は、たとえば「本訴訟を判断する裁判所は、適切な管轄権を有していない」と言った主張を理由に、訴え却下の申立てを行うことができたりします。

 

そして、原告の訴状に対して、被告は一定の期限内に答弁書を用意して裁判所に提出しなければなりません。この期限を過ぎてしまうと、Default Judgement(欠席判決)となってしまうので注意が必要です。

 

<Default Judgement>Defaultの一般的な意味:初期設定、規定値、不履行、支払いを怠る

法律的な意味:法律義務の不履行。「期限内の書類提出のような訴訟において必要とされる手順を踏まないこと。これは、その当事者側に対する欠席判決につながりうる」こと。(法律英語用語辞典より)

 

この様な、トライアル(審理)[KS1] 前に行われる原告と被告のやりとり、手続きのことを英語ではPleading(プリーディング・訴答書面)と言います。

 

<Pleading>

Pleadingの一般的な意味: 懇願、嘆願

法律的な意味: ①弁論、②弁解、③訴答手続、訴答書類 (法律英語用語辞典より)

 

Pleadingの一般的な意味と、法律英語としてはニュアンスが異なる点に注目です。

 

それと、アメリカの民事訴訟は、裁判所ではなく、裁判の当事者である原告・被告が中心となって問題の解明・解決を図ると言うAdversary system(当事者対抗主義)となっています。

 

<Adversary system>

Adversaryの一般的な意味:敵、敵対者、対抗者、対戦相手

法律的な意味:当事者主義、当事者対抗主義

英米法制度のような手続上の制度。自発的で制約をうけない当事者達が、中立の第三者の面前で事実を訴えて互いに争う制度。当事者手続とも称される。(法律英語用語辞典より)

 

Adversaryについても、一般的な意味よりも、多少、法律英語では、問題解決にむけてお互いのリスペクトを持って主体的且つ協力しながら動く、といったニュアンスが伺えるものとなっています。

 

では、ここで問題です。

Q1: アメリカの裁判、または今お話ししたPleadingを主体的に行う「原告」と「被告」は、それぞれ英語でなんと言うでしょうか?

答えです。原告はPlaintiff、被告はDefendantとなります。書いてみると分かるのですが、どちらもスペリングが覚えるまで難しくて、特にDefendantはスペルミスしやすいので確認しておいてください。

<単語の説明>                     

Plaintiff(原告):最初に訴訟を提起する人。人的訴訟では、権利侵害または権利の保留に対して裁判所で救済を要求する人。

Defendant(被告):民事訴訟の被告  

 

PlaintiffとDefendantが主張を交わし、最終的には裁判所の判断が出ることになるわけですが、その裁判所の判決(Judgement)に不服がある場合、例えば、その当事者は、連邦地方裁判所から連邦高等裁判所(Court of appeals)に上訴(appeal)することがあります。

 

Q2:では、上訴を行う上訴人と、上訴をされる被上訴人は、それぞれ英語でなんと言うでしょうか?

答えは、上訴人はAppellant、被上訴人をAppelleeと言います。

<英単語の説明> 

Appellant:上訴人。下級審の審判を不服として上級審での裁判を求める者。あるいはすでに確定した裁判について、法廷の再審事由があると主張して再審を求める者。日本における控訴人、上告人、再審原告、抗告人など。

Appellee:被上訴人。上訴人がした上訴に対して対立当事者として応答し、原審判維持のための訴訟活動を行う者。日本における被控訴人、被上告人、再審被告、被抗告人など。 

 

 

PlaintiffとDefendantと同様に、AppellantとAppelleeと言う単語も知っておいていただければと思います。

ちなみに、AppellantとAppelleeもスペルを覚えるまで難しい単語となっています。

動画のはじめに、Pleading手続きの一貫として、原告(Plaintiff)は訴状を裁判所に提出し、被告に対する訴訟を開始すると言うお話をしました。

Q3:ここで問題。原告が裁判所に出す訴状は、英語でなんと言うでしょうか?

訴状は英語でComplaintと言います。

<Complaintの説明>

Complaintの一般的な意味: 不平、不満、苦情

法律的な意味:①苦情、②訴状、③申立て

民事事件において、原告側が請求権の基となる事実を述べる最初の申立て。その目的は相手方に主張されている請求の本質と論拠を通知することにある。

 

皆さんが普段使っているComplaintの意味。ちょっとネガティブな意味合いで使われることから、法律英語では訴状になると言うのは、「あー、ニュアンス的になんとなくわかるわ」と言う感じではないでしょうか。

訴状には、原告の訴えや原告が求める救済内容が何であるかが書かれています。しかし、アメリカの民事訴訟では、ディスカバリーと言う相手の手持ち証拠を開示させる手続きがある為、訴訟のはじめに提出される原告の訴状(Complaint)は、大雑把に書かれるのが一般的となっています。

原告が裁判所に訴状を提出すると、訴えの事実があることを被告に伝える為、Summonsと呼ばれる召喚状を、原告の責任において被告に送達することになります。

 

Q4:ではここで問題です。この送達の手続きのことを英語ではなんと言うでしょうか?以下のア〜ウの3つの中から一つ正しいものを選んでください。

あ Rejection of Claim 

い Order to produce

う Service of Process

答えは、うの Service of Processとなります。

Rejection of Claim  (請求の却下) _

Order to produce (提出命令)

Service of Process(訴状・呼出状の送達)

Service of Processは、Due Processの精神に則り、被告が訴訟をされたことを知る上でとても重要な手続きとなります。もし原告がこのService of Processを適切に行わない場合は、被告により裁判所にはPersonal Jurisdictionがないことを主張され、訴えが却下される可能性があるので注意しなければなりません。

Service of Processによって、訴状や召喚状を被告が受け取ると、たとえばFederal Rules of Civil Procedure(連邦民事訴訟規則)では21日といった一定の応訴期間の中で、被告は裁判所に対して答弁書の提出が求められることになります。

Q5:ここで、問題。被告が用意する答弁書を英語でなんと言うでしょうか?

答弁書のことは英語で、AnswerやAnswer to complaintと言います。だいぶ、おー、そのままの単語ねと突っ込みたくなるくらい、ストレートな答えですよね。

<Answerの説明>

Answerの一般的な意味:答え、回答、返事、応答

法律的な意味:

答弁書、回答書、答弁、抗弁、責任引受け 

 

 

答弁書では、被告は、原告の請求について認める(Admission)、または否認する(Denial)などを選んで答えていくことになります。

 

また、被告は答弁書の中で、たとえば契約違反で訴えられているが、契約をしたのは原告による詐欺行為があったからだ、とか、原告の訴えは時効が過ぎているといった積極的抗弁(Affirmative Defense)を提出することができますし、逆に被告から原告に請求をすると言う反訴(counterclaim)をすることも可能です。

 

 

被告は、答弁書の提出とは別に、被告は、訴え却下の申立てを行うこともできます。

たとえば、裁判所の管轄権に問題がある場合、被告は、裁判所に原告の訴えを却下することを申立てすることができます。

『Subject Matter Jurisdiction:裁判における事物管轄権』:アメリカ法律力 第5回

https://www.youtube.com/watch?v=7IHAmKqrmC8&t=894s

 

『Personal Jurisdiction:裁判における人的管轄権』:アメリカ法律力 第6回

https://www.youtube.com/watch?v=5e8a3HsDDQE&t=2s

 

Q6:では、本日の動画の最後の問題になりますが、この訴え却下の申立てのことを英語ではなんと言うでしょうか?

少し難しかったかもしれませんが、答えは、Motion to dismissとなります。

 

<Motionの説明>

Motionの一般的な意味:動き、動作、身ぶり、運動、提案

法律的な意味:申し立て、動議。

<Dismissの説明>
Dismissの一般的な意味:解散させる、解雇する、解任する、棄却する

法律的な意味: 却下する、退ける、棄却する、

いかがだったでしょうか?

本日は基本的な内容となりましたが、日本人のリーダーの方達に知っておいてもらいたいアメリカ訴訟制度に関する法律英語を、今後も引き続きまとめていきたいと思います。

一緒に学んで、法律にピンとくる力、リーガルセンスを磨きましょう!

本日の動画が少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。

関連動画もぜひご覧ください。

では、今日はこの辺で。ありがとうございました!

<関連動画>

以下の動画もぜひ参考にしてください。

「知っておきたいアメリカ独立宣言」

https://www.youtube.com/watch?v=Ib_Ukr02bNg

「アメリカの裁判制度」

https://www.youtube.com/watch?v=viisaSFBZmw

「アメリカの法源」

https://www.youtube.com/watch?v=4LG9MiDUu9A

「Subject Matter Jurisdiction:裁判における事物管轄権」

https://www.youtube.com/watch?v=5e8a3HsDDQE

「Personal Jurisdiction:裁判における人的管轄権」

https://www.youtube.com/watch?v=7IHAmKqrmC8&t=894s

「法律英語第1回」

https://www.youtube.com/watch?v=g5WqEUaPfoM 

「法律英語第2回」

https://www.youtube.com/watch?v=HcWCZdHtmWc&t=109s

「アメリカ訴訟大国(後編)」

https://www.youtube.com/watch?v=ELNLeLPOp7U

「アメリカ訴訟大国(前編)」

https://www.youtube.com/watch?v=BLNVPDxBsOQ&t=175s

「リーガルセンスを身につける」 

https://www.youtube.com/watch?v=eQyCUh6B1vI&t=94s

【10分で解説】リスクリワード分析:リーダーの役割 リーガルセンスシリーズ②

https://www.youtube.com/watch?v=VRcp5RkaYDk&t=32s

『アメリカ法おススメMovie』シリーズ第1回:12 Angry Men

https://www.youtube.com/watch?v=BIhISDEfdoM&t=3s

『アメリカ法おススメMovie』シリーズ第2回:My Cousin Vinny

https://www.youtube.com/watch?v=hsOGMM0rjhk