法律英語 第5回
 

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法律英語の中でも、接頭辞(せっとうじ)についてです。接頭辞を理解すると、その単語のニュアンスを推測することができ、複雑な単語が多い文章を読む際に便利です。ニュアンスがつかめると、単語の直訳は分からなくても、なんとなく、「この単語はリスクの匂いがするぞ・・」となります。実は、この「リスクの匂いがする」という感覚が、法律英語を読む際には重要です。

​法律英語 第5回
 

アメリカでビジネスをする経営者・リーダーがリーガルセンスを磨くために知っておきたい「法律英語シリーズ」第5回です。

 

今日は、法律英語の中でも、接頭辞(せっとうじ)についてお話ししていきたいと思います。

 

英語の接頭辞(prefix)にはいろいろあります。例えば

  • 一緒に、共にという意味のあるcom (combination, communication)

  • 再び、戻すという意味のあるre (recall, receive)

  • 外にという意味のあるex(exception, exit, exceed)

といった感じです。

 

私はクライアントさんからたまに、英文契約書をはじめとする「法律英語は、難しい単語がたくさん出てきて読むのが難しい。どうすれば良いか?」という相談を受けることがあります。

そこで、ひとつの方法として役に立つのが接頭辞です。これを理解するとその単語のニュアンスを推測することができ、複雑な単語が多い文章を読む際に便利なのです。

 

では、ここからは接頭辞の例として、Deが最初につく英単語について考えてみましょう。

deを接頭辞にもつ単語は、法律英語でもよく使われますが、接頭辞のdeにはどのような意味があると思いますか?

 

接頭辞のdeには、Deny→完全に否定する、というように

言葉に対する「強調」のニュアンスがあります。

 

では、ここで問題です。

法律英語としてもよく出てくる以下の単語(全て動詞)ですが、それぞれどのような意味になるでしょうか? 

  • as defined below.. のdefine

  • defend clients against charges のdefend

  • decline the offerのdecline

  • defer the judgementのdefer

  • deceive the consumersのdecieve
     

では答えを見ていきましょう。

  • as defined belowのDefine は「定義する」

  • defend clients against charges. この場合のdefendは 「弁護する」

  • decline the offerのdeclineは申し出を「断る」

  • defer the judgementは、判決を「延期」する

  • deceive the consumersは、消費者を「欺く」
     

今見た単語で、接頭辞DEが言葉を強調するイメージができるのではないかと思います。

では次の問題です。

Default Judgmentとはどういう意味でしょうか?

前回の法律英語第4回で、Default Judgmentを取り上げました。これは「欠席判決」と訳されます。

Defaultが、「欠席?ん?」と疑問に思った方もいるかと思います。

デフォルトと聞くと、多くの人は「標準設定」「基本設定」という意味を想像するのではないでしょうか。しかしDefault Judgmentの場合、「Default=標準設定」で考えるとなんとなくしっくりしませんよね。

そこで、今日のテーマの接頭辞を思い出してみてください。接頭辞Deは、強調のニュアンスがあります。DEがFault(過ち、過失、欠点)の強調をしていると考えると、Default Judgmentという単語の直訳は分からないが、なんとなく、「この単語はリスクの匂いがするぞ・・」となりませんか?

実は、この「リスクの匂いがする」という感覚が、法律英語を読む際には重要です。

接頭辞を理解すると、単語のドンピシャの訳が思い浮かばなくても、これは自分たちにとって「ネガティブな話をしている」など、文章のニュアンスがわかることがあるのです。

法律文章では、まずこの問題になりそうな箇所を特定できることが大切となってきます。

それができると、重要そうな部分の英文をじっくり眺め、辞書をひいたり、翻訳して、「あ、やっぱりここに書いてある内容は、リスクだったわ。」と理解することができます。

また、接頭辞からニュアンスを掴んだ単語は、結構忘れないものです。英単語をたくさん覚えるためにも、接頭辞に注目する価値はあります。

いかがだったでしょうか?

本日は基本的な内容となりましたが、難しい法律英語を読む際のヒントして、接頭辞に注目する、というお話をしました。

接頭辞とは全く関係ないのですが、deがつく英語でdevil’s advocateというものがあります。直訳すると「悪魔の代弁者」です。これは、弁護士がよくディベートなどで使うテクニックなのですが、よく言うと、「こういう場合は?もしこうだったら?」というWhat If質問をあえてして、議論を深めていくというもの。悪くいうと、相手の主張を批判・反論をする目的で、質問責めにして相手の弱点を晒そうというものです。

弁護士はロースクールでdevil’s advocateする訓練を受けるので、あえていやな質問ばっかりします。ただ、日常的にこれをやると、とても嫌われるので注意しなければなりません(笑)。

今後も一緒に学んで、法律にピンとくる力、リーガルセンスを磨きましょう!

本日の動画が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

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では、今日はこの辺で。ありがとうございました!