top of page
  • hnaito9

ZOOMなどの「Web会議規定」の策定

コロナ禍となり、企業はZoomなどを利用したWeb会議を、日常的に利用していると思います。Web会議の利用方法なども、従業員はだいぶ慣れたことでしょう。他方、Web会議の労務問題について、雇用主はアンテナを張っておく必要があります。


① Web会議には、人を「不愉快」にさせる要素がある

Zoomなどは、会議をする上でとても便利ですが、このような機能が「労務問題の原因」となることがあります。たとえば、チャット機能です。チャットは、全員宛または個別的なコミュニケーションができますが、特に個別会話の中で不適切な発言がないよう、注意しなければなりません。また、不必要な個別チャットは、そのチャットに参加していない人にとっては、あまり気持ちのよいものではありません。Web会議は自宅からの参加ということで、ついつい気を抜く従業員がいます。その際、Web会議の機能が乱用されないよう、雇用主は注意しておく必要があります。


また、Web会議では、参加者の顔の映像がアップで表示されていることもあります。その際、特定の人の顔をジロジロ見たり、特定の人が話す度にクスクス笑っているなど、デリカシーのない態度をしないようにしなければなりません。中には、「カメラON」や「音声のみ」などの機能を使い、人の容姿をランキングする従業員もいます。


Web会議には、実際のミーティングには参加していない人を不愉快にする要素や、注意すべきマナーがある、ということを雇用主は認識しておく必要があります。


② デジタルリテラシーを馬鹿にする行為は、「年齢差別」となる

Web会議の設定など、その扱いに苦労している従業員がいることを、雇用主は認識する必要があります。特に年齢層の高い従業員にとっては、会議のデジタル化への調整には時間を要することがあります。そのような従業員に対して、理解や協力を示さず、会議から除外するなどの扱いをすることは、「年齢差別」となるリスクがあるので、雇用主は注意しなければなりません。


③ Web会議で見える「プライベート空間」に対して先入観をもたない

Web会議は、自宅で実施することが多いため、人のプライベート空間を垣間見ることがあります。会議中に、子供たちが話しかけてきたり、プライベートな会話を聞いてしまう。または、病人の看病をしている姿が見える等です。そのようなプライベートに対して、他の従業員が噂話(ゴシップ)をすることが考えられますが、雇用主は、そのようなゴシップについては厳格に取り締まる必要があります。


また、余計な先入観をもつことについても注意しなければなりません。子供の面倒や、家族を看病している従業員(女性)に気を遣って、会議参加から除外にするなどは、「性の差別」とされるリスクがあります。差別の意思がなく、むしろ善意の対応であっても、性別などの従業員の特性によって他の従業員とは異なる扱いをすることは、「差別」と判断されます。


逆に、プライベートを不必要に見せてくる従業員もいます。余計なシーン(例:ポスター、置物など)は会議の邪魔となりますし、見る人によっては不愉快となる要素です。Web会議をする際には、バックグラウンドに気を配るよう従業員に指示する必要があります。また、宗教や政治などは個人の活動としては自由ですが、仕事の環境にて、個人の思想を語る・勧誘するなどは就業規則などで禁止する必要があります。


④ 「Web会議規定」の策定

Web会議の問題点の洗い出しをし、雇用主は、Web会議規定の策定をすることが重要となります。ガイドラインがないと、Web会議中に不必要な、そして人を不愉快にさせるような行為を目撃しても、上司の従業員がどのように注意すべきか迷うことになります。Web会議終了後、または時間を経過した後に、従業員を注意するのではなく、Web会議中の不正行為、迷惑行為はできるだけ、その場で注意しないと効果がありません。首尾一貫した判断が下せるよう、Web会議規定は今後就業規則などで追記する項目になります。



この記事に関する質問は、hnaito@mosessinger.comまで、日本語でお気軽にお問い合わせください。なお、本記事は執筆時の情報に基づいており、現在とは異なる場合があることを、予めご了承ください。最新コンテンツやアップデート情報などをいち早くご希望される場合は、ニュースレターへの登録をお願いいたします。


bottom of page