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米国の一定企業、及び事業を行う日系企業も対象となる企業透明性法について

2024年1月1日に施行された企業透明性法(Corporate Transparency Act 以下「CTA」) は、マネーロンダリングやその他の金融犯罪に対処する目的として定められた連邦法で、米国財務省の金融犯罪取締ネットワーク (FinCEN) に企業の実質的所有者情報の開示を義務付けるものです。連邦法の施行に伴い、ニューヨーク州ではLLC(有限責任会社)に対し、同様の開示情報を求めるLLC透明性法が施行されました。今後、各州での情報開示義務に関する法案が加速化するものと思われます。


以下、連邦法CTAの概略を解説いたします。


CTAにおいて報告義務のある企業とは?


  • 株式会社、LLC、及び米国の州法に基づき州務長官に届け出ることにより設立された米国企業。

  • 米国内で事業を営む目的で登録された国内企業と外国企業。


*適用除外となるカテゴリーは23種類が存在しており、一例として、1)フルタイム従業員(週30時間以上または月130に間以上雇用されている従業員)を20名以上雇用している、2)総収入または売上高が500万ドル以上、かつ3)米国内に事務所を物理的に構えている企業が挙げられます。


どのような情報を開示する義務があるの?


  • 対象となる法人(以下、報告会社)に関する情報 (正式名称、通称名、米国内の住所、設立・登録地など)

  •  報告会社の25%以上を所有または支配している 実質的所有者(beneficial owners)、もしくは報告会社に対して実質的支配権(substantial control)を行使する者の名前、生年月日、住所、身分証明書のコビーなど

  • 2024 年 1 月 1 日以降に設立又 は事業登録を行った報告会社に関しては、会社申請者に関する情報(弁護士や他のサービス会社など設立または登録をする書類を直接提出する者)


CTAにおける申告の期限は? 


2024年1月1日から2024年12月31日の間に設立された報告対象会社は、会社の設立または事業登録に関する実際の通知を受理した日、または事業登録が公告された日のいずれか早い日から90日以内に初回申告を提出する。

  • 2025年1月1日以降に設立された報告会社は、30日以内に初回申告を提出。

  • 2024年1月1日以前に設立された報告会社は、2025年1月1日までに初回申告を提出。


違反した場合、どのような影響が考えられる?

実質的所有者情報を提供しなかったり、虚偽の実質的所有者情報を故意に提供した場合は、民事罰として、違反が継続している期間 1 日につき 500 ドル以下の民事制裁金、刑事罰として 1 万 ドル以下の罰金、2 年以下の懲役、又はその両方が科せられる可能性があります。



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